管理人の独り言
le monologue
山本二三先生との思い出
8月19日に、アニメの背景画家の山本二三先生が亡くなられました。
山本二三先生といえば、「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」「時をかける少女」などの美術監督で、たとえその名は知らなくても、絵は誰しもがみたことがある、アニメ界の至宝ともいうべき方です。
その二三先生とギャルリー・ジュイエとは縁が深く、ジュイエで3回も展示していただいています。数多の美術館で展示されている「もののけ姫」や「火垂るの墓」の背景原画や、ゲームの「世界樹の迷宮」の原画、その他たくさんの原画や複製画を展示していただいたのは、ギャラリストとしての私の自慢でもあります。2015年の個展でのデモンストレーションの雲の絵は、私の手にあり、自宅の玄関に飾ってある宝物です。
一昨日、ギャラリーに行く途中の道で出会った景色に、思わず目を見張りました。
「時をかける少女」の背景みたい!18年あまり通っている道、もう何千回も通っているのに、こんな光景みたことがありません。
この道を自転車で駆け抜けていくあいだ、「タイムリープ」はもちろん起こらなかったけれど、ずっとずっと二三先生に語りかけられているようでした。
あー、私は何て素敵な縁を二三先生からもらったのだろう。これからも夏の雲をみるたびに先生のことを思い出せます。
そして、葬儀の日の今日もまた、頂いた絵にそっくりの「二三雲」が空に浮かんでいました。
二三先生さようなら。あの雲の上で、安らかにお眠りください。
今週の展示は、「微睡みに蓋をする」武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科の2年生による3人展です。 空間演出、映像、写真など、様々なメディアで、夢と現実の狭間、揺らめきを表現。もろく儚くも美しい世界に是非お越しください。29日まで。